「主役にならない。」東山いきいき市民活動センター

「知恩院」や「清水寺」をはじめ、
観光名所や街並みから江戸時代の
面影が感じられる、京都市東山区。
そんな東山で市民活動の拠点となっているのが、
「東山いきいき市民活動センター」です。
街の方々が先生となって、好きなことや得意なことを
小学生、社会人、ご年配の方など世代の垣根を越えて
教え学び合う「みんなの学校ごっこ」など
さまざまな活動を通して東山を盛り上げています。
今回は、スタッフの川原さん、加藤さんに
活動の内容や、思い、つくりたいものを
編集部がお話をうかがってきました。

 

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——
東山って、どんな地域なんでしょう?
はじめて訪れたのですが、
思ってたよりも近くて驚きました。
加藤
このあたりは、おじいちゃんや
おばあちゃんがけっこう多くて。
商店街を歩くと、挨拶が飛び交います。

——
ザ・下町のような。
加藤
その一方で、祇園とかの
観光地に囲まれたりもしてるんです。
だから、下町だけど外国の方も多くて。
——
市民活動センターのような施設が、
そのような場所にあるのは珍しいですよね。
東山いきいき市民活動センターという舟は、
地域の中でどういった役割を担っているのでしょう?
川原
人・モノ・情報が集まり、
つながれるような舟を目指しています。
ここに来てもらえれば、いろんな人に出会えたり、
さまざまなモノに触れることができたり、
街の情報をキャッチできたり。
そして、集まってきた人やモノがつながることで
新しいものを生み出したり…。
さまざまな形で、東山をもっと
盛り上げていきたいと思っています。
——
なるほど。プラットフォームでもあり、
ソーシャルな場でもあるんですね。
具体的な日々のお仕事としては、
どんなことがあるんですか?
川原
大きく、3つあります。

1つは、市民活動団体の活動場所の提供です。
当センターには、会議室や音楽室やスポーツができる部屋など
多様な部屋がありまして、お部屋の貸し出しを通じて市民活動をサポートしています。
日中は地元の人が使うことが多く、
夕方からは学生さんが多いですね。
年間で、のべ約20000人の方が利用してくれています。

——
ミーティングや練習、イベントの会場として
施設を利用されるんですね。
川原
2つめは、市民活動に関するよろず相談ですね。
少し前も「音楽好きのコミュニティをつくりたいんです」
という方が窓口に来られたり。
その方も、まずは音楽好きの人を見つけてみては?と、
コミュニティスペースにあるバーカウンターに
立って1日店長をしながらお客さんと話してみることを提案しまして、
実際にやってもらって感触を確かめてもらいました。
加藤
3つめは、市民活動の担い手づくり業務です。
子育てが落ち着いて、社会復帰を目指すママさんたちをものづくりで応援する企画をしたり、まちや社会で起こっていることを動画で発信する集団をつくったり
まちの人たちがもっとご自身の好きなことや得意なことをお互い教え合うようなまちになったら素敵だなと思って始めた「みんなの学校ごっこ」という事業も
今年で5回目を迎え過去には、地域の小学生やパティシエ、元プロサッカー選手などバラエティ豊かな方が先生になっています。

 

川原
活動場所の提供、市民活動の相談、活動の担い手づくり。
大きくこの3つに分けられますね。
——
なるほど。
では、施設のつよい部分とよわい部分について、
聞かせてもらってもよろしいですか?
川原
そうですね...
何かまちのため・地域のためになる活動をしたいという人が集ってくるところと、
活動を前に進めるための仕組みやノウハウがあることも強みだと思います。

また、駅近で交通の便がよく、
規模も大きく室数も多い点、
なにより安価で会議室の貸し出しが可能なことも、
うちの強みだと思います。

——
100円/h~で部屋を借りれるのは、お得ですよね。
近くに住んでいたら、ヘビーユーザーです(笑)
川原
よわい部分は、若い世代の人達の巻き込みでしょうか。
もっと20代ぐらいの若者たちに、
もっと届けていきたいなと思っています。

——
若者がいると、地域が元気になりやすいですしね。
ちなみに、施設の理想の状態ってどんなのでしょう?
川原
この施設のテーマは、
「対話のデザイン」なんです。
対話を通じて今まで気づかなかったようなことに出会えたり
仲間を見つけることができたり…
別々だったものを繋いでいく役割。
それが自然発生していくようになれば、
理想の状態だと言えますね。
——
地域の中継地点・ハブ的な存在でありたい。
会社に置き換えても、おなじことが言えそうです。
加藤
そうですね。
それぞれで変わってくるとは思いますが、
僕個人としては新しい発見があったり、
いろんな顔が見れる施設がいいなと思います。
——
ああ、そういえば、
ここに来てからずっと感じていることがあって。
時間がゆっくり流れているんですよ。
川原
ゆっくり、ですか?
——
はい。
デジタルやインターネットを中心に
物事が進んでいくと、スピードは生活を追い越して
どんどん速くなっていきます。
でもそれは、現実とはかけ離れてきちゃう。

時間がゆっくり流れていると感じるのは、
地域にあるからだと思うんです。
人と地域を中心に時間が進んでいってるからかな、と。

川原
なるほど。
——
乗り物に乗っているわけではなく、
共に歩んでいける感じがします。
あくまで、感じですが(笑)
川原
いえ、嬉しいです。
——
その上での質問になるんですが、
どんなことを大切にしながら動かれているのか、
市民の皆さんと関わっているのか、気になります。
川原
僕は「主役にならないこと」ですね。
市民の方が主役なれるように、とは常々意識します。
——
主役にならない。
川原
僕たちがプレーヤーとして市民活動をするというよりも、
プレーヤーになる人を増やしていくことが大切だと思っています。
あくまで、まちの人たちが主役で、
僕たちはサポートする役割なので。
自分という色の絵の具が混ざっても、
その人の色が変わらないようにはしたいですね。
——
ああ、いいですね。
そういう気質の人って、ちゃんといます。
主役にならないのは、わるいことじゃないですし。

加藤さんはどうでしょう?

加藤
僕は、大学院で英語教育を学んでいることもあり、
言語化することを大切にしています。
——
形にしていく、ということでしょうか?
加藤
そうです。
「わからない」ものを言語化することで
整理されたり、共通認識になったり、
コミュニケーションも生まれたりする。
川原さんにも、よく聞きますね。
川原
手伝ってもらってます(笑)

加藤
もちろん、言葉にならないものもあるじゃないですか。
だから、言語化することが押し付けにならないように、意識しながら働いていますね。
——
それぞれ大切にされているものが
明確で、おもしろいです。

では最後に「はたらく」って
どういうことだと思いますか?

川原
はたらく...そうですね。
ご飯を食べることだけ、じゃあないですよね。
——
もちろん、正解がないものですし
パッと出るようなものでもないと思います。
加藤
僕は大学院生なので、
社会人として「はたらく」が未経験なんですけど。
人のためにできること、かもしれません。
川原
自分のためだけじゃあ、僕はできないかもしれない。
立派な理由ではないんですが、しんどくなるんです。
自分のためだけに何かをやるのは。
——
エネルギー源が自分しかないですもんね。
川原
その点、地域のため・人のために働ける施設なので(笑)

 

——
たしかに、そんなつくりの施設だ。川原さん、加藤さん、本日はありがとうございました!8月におこなわれる、まちのみんなが先生で生徒、「みんなの学校ごっこ」でも、よろしくお願いします。

 

 

(おわります)

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