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第3回 秋田壮馬さん(Beer cafe Laugh’in)さいきん、なに考えてる?

「さいきん、どんなこと考えてる?」は、
言わずと知れた、ぼくの口癖です。
ぼくは考えることが好きなので、
人がどんなことを考えているのかに興味があって、
こんな時季だからこそ、頭の中身を覗いてみたいと思いました。
オンラインでのおしゃべりを、そのまま記事にしちゃいます。(白川)

 

第3回は、神戸三宮でクラフトビールのお店「Beer cafe Laugh’in」を経営されている、秋田壮馬さん。
飲食業は今回の自粛期間で大きなダメージを受けている印象があります。しかし、そのような中でも試行錯誤されているお店に話を聞いてみたいと思いました。壮馬さんはなにをして、どんなことを考えていたのか。飲食店業界のリアルが分かる、いろんな話をしてくださいました。そういえば、編集部の白川とも、3密を避けたおもしろい活動をいくつかされていたみたいです。そのあたりも楽しみながら読んでみてくださいね。(ひの)

 

 

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──
第3回のゲストは、Beer Cafe Laugh'inの秋田壮馬さんでーす!よろしくお願いしまーす!
えー…なぜかラジオっぽくなってしまいました。

 

そうま
よろしくお願いします(笑)

 

──
ではまず、自己紹介を簡単にお願いします。

 

そうま
神戸・三宮でクラフトビールのお店を経営している、秋田壮馬です。今年で30歳になりました。

 

 

──
お店は、今年で何年目ですか?

 

そうま
5年目になりますね。
僕が25歳の時に始めたので。

──
5年目なんだ。もっと長いと思ってました。
緊急事態宣言が解けて、お店はどうでしょうか?

 

そうま
先週くらいから、結構忙しくなり始めたかな。

 

──
開いているお店も増えた?

 

そうま
ほとんど開いてきてます。
カラオケも6月から開いてるし。

 

──
へえー。壮馬くんは、緊急事態宣言中はお店を閉めてたりと、物理的に時間ができてしまったと思うのですが...そのあいだ、どんなこと考えてましたか?

 

そうま
意外となんにも考えてないですよ。というより、考える間もなかったというか。

 

──
あれ、そうなんだ。

 

そうま
有り難いことにお店を閉めている間も、クラフトビールをビン詰めしたりとか、あとキッチンカーで知り合いのお店と遠征したり、烈くんと一緒にした「むじんフリマ」だったりで、けっこう動いたりはしてたので。

 

──
ひとつずつ、詳しく聞きたいな。
キッチンカーは神戸市から委託を受けたものでしたっけ?

 

そうま
そうです。
Uber eatsが届かない地域に、神戸の飲食店のグループでキッチンカーに乗って、その地域でテイクアウトのご飯を販売してました。僕の番では、西区の秋葉台に行きましたね。徒歩圏内にコンビニもないようなところです。もちろん、飲食店もないし。スーパーはあるけど、テイクアウトできるお店がないらしくて。

──
どれくらいお客さんは来られたんですか?

 

そうま
1日100人くらいは。

 

──
ええー。すごい、そんなにくるんだ。

 

そうま
僕らは4日間行ったけど、全体で2週間ほど行なったみたいです。
また秋くらいに企画しているそう。

 

──
けっこう間が空くんだ。でも、お店が再開したら忙しいですもんね。

 

そうま
今回は実験的だったのもあって、評判が良かったから次回からは本格的に進めてくれるみたいで。

 

──
ああ、そういうことなんですね。

 

そうま
面白かったですよ。
毎日来てくる子供がいて、毎日かき氷食べるのよ。

 

──
ははは。冬でも半袖半パンだろうな、その子。

 

そうま
そう!そんな感じの子!
4日間しかいなかったけど、常連さんとかも出来たりして。

 

──
クラフトビールを瓶で販売したのはどうでしたか?もともと、瓶詰めする予定はなかったと聞きました。

 

そうま
そうそう。イベントで出していく予定だったけど、イベントが全部なくなっちゃったから、仕方なくビン詰めを。

 

──
樽とかで出す予定だったんだ?

 

そうま
そう、生で。ビン詰めは結構大変で、100本詰めようと思ったら丸一日かかるから。自粛期間中で600本くらい詰めました。

──
600本も出たのかぁー。すごい。
あとは、一緒に企画した「むじんフリマ」ですね。

 

天の声
むじんフリマって、フリーマーケットのことですか?

 

そうま
そうです。
お店の2階部分が空きスペースになっていて、もったいなかったところを、烈くんが企画してくれて。

 

──
自粛期間中で外に出ないから、家の掃除をする人が増えたんじゃないかなと思ったんですよね。で、要らないものや掘り出しものがあると思って、それらを販売するスペースをつくってあげて入店を1人だけにすれば、3密も避けれる。お金は用意したボックスに各自で払ってもらって、他のお客さんもスタッフもいない形で運営する「むじんフリマ」として企画しました。

 

そうま
おもしろかったし、反響がすごくありました。
来れなかった人からも、おもしろいねって連絡もらったりとか。

 

──
商品もたくさん集まったし、そのぶん売れてよかったです。

 

そうま
烈くんの方はやってみてどうだった?

 

──
なんというかこう、物理的に盛り上がってはいけないけど、色んな人の興味が集まったのはよかったと思います。

というのも、東日本大震災や、ぼくが1年間現地で支援していた熊本地震などの災害の時もそうなんですけど、今回も「支援をしよう」って視線の集まり方がすごく多いと思うんですよ。

 

 

そうま
そうですね。

 

──
被災地に支援物資を送ろうとか、飲食店も割引価格で売りますよーみたいなのが、たくさん出たじゃないですか。けど今回は、そういう視線じゃなくて、新しいものを打ち出した興味、たのしさ…みたいなところで視線を集めたかったので。

「支援したい!」ってブームにはなりますが、やっぱり長くは続きません。平常時と同様に、楽しいやおもしろいに人は集まるので。3密のリスクを避けながら、それをちゃんと作りたかった。

 

そうま
テイクアウトとかもそうですね。最初の方はすごかったけど、もうテイクアウトをやめているお店が多いし。

 

──
労働と利益がどうしても合わないですからね。
はじめからテイクアウトのお店ならまだしも。

 

そうま
うん。

 

──
壮馬くんはこの時期、とっても柔軟に動いていたと思うんです。だって、自粛期間中ならではの動きがほとんどでしたよね。瓶詰めとかも、今回に適応させた形だと思うし。

 

そうま
やっぱり「人に会いたい」がありましたね。でも会えないから、なんとかして関わる方法はないかなと探しました。

 

──
こうした動きを取れる人ってなかなか少ないと思うんですよ。飲食店さんでも。
あと、考える間もなかったっていうのは、とっても本音だと思いました。訳すると、考える間もなかったというよりは、「考えるだけの時間を選ばなかった」じゃないかな。動きながら考えていたでしょう?

 

そうま
言われてみれば、そのとおりですね。
これからのお店の在り方って変わるんだろうな、って。

 

──
そこ、もう少し詳しく聞きたいです。

 

そうま
今は席を少なくしてるから、どうしても客数が減ってて。
うちの店は、ぎゅーって集まって飲むのが楽しいスタイルだけど、これからはその状態を嫌だなって思う人が出てくるだろうし。

 

──
そうですね。

 

そうま
そうなるとやっぱり、今まで通りの営業っていうのは出来ないわけで。だから2階と地下もうまく使って営業しようかな、どんなふうにしようかな、と。

あとは、待ってても仕方がないから、新しいことをどんどんしていきたいです。家飲みが増えるだろうから、ビールの生産能力を上げて販売していこうかなとか。

 

──
なるほど。

 

そうま
やっぱりどこの店も、100%には戻らないと思います。絶対席数が減るから…。

 

──
食べる飲む行為ってどうしてもマスクを外すことになるし、喋るってなると2m以上の距離を取らなくちゃいけない。まだ始まったばかりだから違和感があるだけなのかもしれないけど、呑み屋さんという「場」がどうなるんだろうという思いはあります。

 

そうま
まあ、めちゃくちゃ変わる気はしないんだけどね。
あ、そういえばこの前企画してくれたオンラインIPPONグランプリもとっても評判良かったです。

 

──
ははは。おもしろかったですね。

 

そうま
もう一回したいっていう声めちゃくちゃありました。
柔軟なお店はオンラインの会を作ってるところも何個かありますし。

 

 

──
ああ、聴いてみたいんですが、神戸っていう「街」を見ていて感じたことはありましたか?

 

そうま
神戸…みんな真面目だなって思いましたね。
閉めていたけどお店には居たので、緊急事態宣言中は、暗くなったら街に人がいなくなってました。

 

──
そうでしょうね。

 

 

そうま
その中でもお店を開ける選択をした飲食店も、もちろんありましたし。お店の人とも話をしたりしたけど、全然お客さん来ないし、来ても同じ飲食店同士の人だったり。
こんなに困るもんかな、というくらい人がいませんでした。

 

──
今回、SNSを通して色んな飲食店さんの、考え方在り方みたいなのが色濃く出たと思いました。

 

そうま
そうだね。

 

──
開けることが悪で、閉めることが善みたいな単純なことじゃないでしょう。飲食店の皆さんからしたら、死活問題でもあったわけですし。「開ける」選択の中でも、こんな風に考えて。こんな決断をしましたって発信されてましたよね。お客さんって、表面上の選択だけじゃなくて、そうした考えの過程もきちんと見ているんだと思います。

 

そうま
うんうん。そうだなあ。

 

 

天の声
あの、私からもちょっと質問いいですか。

 

そうま
どうぞ。

 

天の声
話を少し前に戻してしまって申し訳ないんですけど、震災時との比較の話…私は震災を経験してないのでわからないんですけど。震災時は人が集まって、みんながやさしくなるじゃないけど、そんなイメージがあります。だけど今はみんなが人を避けるっていうか、寂しい感じがします。今回はそういう意味でもつらいのかな、とか。

 

そうま
ああ、人ね。距離的には遠く見えるけど、寂しさはないですよ。お客さんも応援してくれて。「行けないけど、頑張ってね。宣言が明けたら必ずいくから」って。同じ飲食系の中でも、「一緒に頑張っていこうぜ」とか。逆に繋がりが強くなりました。

 

──
こういうタイミングだから、力になりたいなと思いますしね。
ちょっといやらしく聞こえますけど、通常時に同じ5000円飲むよりも、こういう時期に飲むお客さんの方が心に残りやすいかなって(笑)そういう仲の良くなり方もたぶんあったんじゃないかなとかは考えてましたね。

 

そうま
自粛期間の2か月は大変だったけど、結果的にすごくいい原動力をもらったような気がします。

 

──
最後に、何か話しておきたい事とか、今後の展開こんな風に考えてますとか、なにか残しておきたいことありますか?

 

 

そうま
じゃあ、今後の展開を。
今ってすごくチャレンジし時なのかなって思ってるんですよ。キッチンカーとかもそうだし、ビールのオンライン販売とかもやりたくて。

 

 

──
いいですね。

 

そうま
オンラインショップは許可が違うから、すぐにはできないんですけどね。店頭販売の免許と通信販売の免許があって、違うんですよ。

「実際飲食店がお酒売りだしたら酒屋さん的にどうなんですか」って酒屋さんに聞いてみたら、それはもうどんどんってやってほしいと言ってくれたので。

 

──
お客さんが違いますからね。

 

そうま
そうそう。だからそこでもちょっと頑張っていこうかなって。

 

──
できることを探して、やっていく。それに尽きますね。
いやぁ、今回もおもしろかったです。壮馬くん、ありがとうございました。

 

そうま
こちらこそ!ぜひ、また飲みに来てね。

 

 

 

そんな壮馬さんの営むお店はこちら。
クラフトビールはもちろん、さまざまなお酒も置いてありますし、なにより色んな年代の方々が来られます。神戸で飲むなら、ぜひ一杯だけでも立ち寄ってみてくださいね。(白川)